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2019年11月24日|カテゴリー「ブログ
 今回は記憶のメカニズムとそれに基づいた暗記のテクニックをお話ししたいと思います。

記憶のメカニズムについて

 人間は新しいことを覚えても翌日には約70%ほど忘れてしまいます。(エビングハウスの忘却曲線)もちろん人によって個人差はありますが、基本的に時間がたてば、記憶として頭の中に入れたと思っていても情報を頭の中から取り出すことが難しくなります。
 ですから忘れる前に復習をしなければなりません。どんな人でも基本的に毎日することは忘れません。テレビのリモコンのどこをおせば何のテレビが映るか。スマートフォンのフリック操作。車の運転の仕方。ゲームの操作の仕方。などなど日常的に毎日行っている難しい動作はたくさんあります。これらの動作は最初は難しかったはずです。ですが毎日行ううちに反射的に(考えなくても)行動や動作ができるようになっているはずです。

学校では宿題という形で復習を行うように指示されますが、「あぁ、今日やったこれを使うんだな!」とか「今日、先生が言ってたな」とか、そのシーンを思い返しながら宿題に取り組むことができれば記憶として質のいい情報が残ります。宿題は学校に提出するためにやるのではなく、復習のために行うという心構えを持つことが大切になります。

 次にしっかりと睡眠時間を取ることです。記憶は寝ている間に整理され、脳に定着します。夜更かしをせず、6~7時間は睡眠時間を取るようにしましょう。夜遅くまで勉強をすることはもちろん良いことですが、脳に記憶を定着させるという面では効率がいいとは言えません。一夜漬けも翌日のテストの前のみは効果的かもしれませんが、長期的記憶にはなりづらい面があります。

暗記のテクニック
 覚えることが苦手だという人は私が教えてきた人の中にたくさんいました。しかしそれは「覚えられない」のではなく、「覚えようとしていない」か「覚える方法が間違っている」かのどちらかの場合がほとんどです。本当に物事を覚えるのが苦手であれば、ゲームのキャラの名前だったり、有名人の名前、ドラマの名前なども覚えられないはずです。
 では、なぜそれらを覚えているのでしょうか?
答えは、毎日やっているからです。もっと言えばいつも考えているからです。例えば、ドラマを見て翌日「こうだった」「ああだった」と話すことがあると思います。これは復習していることになります。昨日のドラマで起こったいろいろなことを思い返しながら「感動したなぁ」と思っているのです。また、次の放送があるまで、「前はこんな話だったから次はこうなりそうだな」とか考えながら復習しています。

 勉強をそっくりそのまま置き換えることは難しいですが、仕組みは同じです。毎日やること、いつも考えること。これが記憶を定着するうえで一番大切なことです。

 ではもっと具体的に暗記をするためにどうすればよいかをお話しいたします。
① 英単語のスペル・漢字 の暗記について
 これは書いて覚えることが一番効果的です。特に漢字は書き順も大切なので、普段から漢字を使い、ひらがなばかりの文章にならないよう自分で注意する必要があります。英単語のスペルは厳密にいえば発音と一緒に暗記することが最も効果的です。自分で発音しながら書く。発音しながら書く。ことを繰り返しましょう。
② その他の暗記について
 これは毎日やることが大切です。受験生であれば同じ英単語帳を毎日1周するくらいのことは当たり前に行わなければなりません。はじめは時間がかかると思いますが慣れれば30分くらいで1周できるくらいまで早くなるはずです。英語が苦手な人はまず単語帳周回を行うようにしてください。
 理科や社会の暗記は量がたくさんあります。毎回きっちりやっていたら1周するのにかなりの時間がかかります。理科社会の苦手な人は全範囲が入ったうすい問題集を5周すれば変わります。
 すべての教科に言えることですが新しいものを次々買おうとせずに今ある1冊を完璧に仕上げてください。何ページの右下には~の写真が載っていると覚えてしまうくらい隅々まで完璧に仕上げることが大事です。

記憶は覚えた時間で忘れます。1日5時間勉強するよりも、毎日30分を10日間続けましょう!!!

2019年11月15日|カテゴリー「ブログ
今回は国会でもかなり議論がなされている新しい大学入試についてのお話です。
今までのセンター試験を廃止し、新しく大学共通テストを導入するというものですが何が問題となっているのでしょうか。
大きな内容は、国語と数学に用いられる「 記述式問題 」の精度についてです。民間で行うこのテストは記述式の問題は人間が採点を行わなくてはなりません。もちろん民間の企業ですから、バイトを含む様々な人が採点業務を行うことになります。この部分の不安要素が1点。それに加えて、共通の正答が作りにくいのではないか。人によって採点が変わるのではないかという点が2点目。そして、自己採点と本当の点の誤差が生まれるのではないかという点が3点目になります。
どれも納得のいくものですし、この不安を抱えたまま強行するのはいかがなものかと思います。

2019年11月15日現在では
2020年度の試験に関しては英語は「読む・聞く」のみの試験とすることが決定されました。
いままでさんざん言われてきた「聞く・話す・読む・書く」の英語の4技能は大学入試という観点から見れば必要ではなくなりました。
またベネッセは共通テスト版の令和2年度のGTECを行わないことを決定しました。そして、英検などを含む、英語の民間試験の導入は見送りとなりました。

いずれにせよ、きっちり制度が整ってから実施すべきです。人生の中での大きな岐路となる大学入試なのですから、国会や関連委員会などだけで決めるのではなく、教員や生徒、大手予備校などの意見も参考にして慎重に議論してもらいたいと思います。

ちなみに私は従来のセンター試験でいいと思っています。大学入試にどの大学にも共通して英会話力が必要かといえばそうではないところもあるでしょうし、必要だと思う学部があるならば、二次試験で筆記やスピーキングの試験を各大学で導入すればよいと思います。各大学の各学部で求められている能力の二次試験をすべきです。
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