大量の宿題でのパターン化理解はもう通用しない。

私は以前もブログで、学生の読解力が下がってきていることを言ってきました。つい先日おもしろいものを見つけてきました。以下は社会科の問題です。皆さんもぜひ解いてみてください。

次の文章を読みなさい。
仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、東南アジアにおもに広がっている。
この文脈において、以下の文の空欄に当てはまる言葉を選びなさい。

オセアニアに広がっているのは(     )である。

 ① ヒンドゥー教   ② キリスト教   
 ③ イスラム教    ④ 仏教


さて、答えられましたでしょうか?正解は②です。社会科の問題と書きましたが、実際は国語の問題です。どの地域で何教が信仰されているか知らなくても、覚えていなくてもできる問題となっております。

この読めばわかる問題を白井さんという教育研究者が中学生に解かせて統計を取ったところなんと正答率が約60%だったそうです。10人に4人は統計的にこの文章を読んで理解できていないことになります。皆様のお子様がというわけではありません。社会全体で見たときに読解力が低下しているということです。学校という集団生活をしている以上、少なからずこの悪影響は受けるでしょう。

他にも理科や数学の問題で、ただ図形をさかさまにしただけで正答率が大きく下がった問題などがありました。(他にもたくさん問題はありましたがここでは他の問題は割愛させていただきます。)

ここから出てくる問題点は、問題文をしっかり読まず、雰囲気と自分の中にあるパターンで解くということです。
つまり1問1問見て、理解して、考えて、表現できていないということになります。
似たパターンの同じような宿題を山ほどしても少しひねられるだけで解けなくなります。それに自分の頭の中に「こういう問題は、こうやって解く」と何の根拠もないパターンが生まれます。単なる計算ならそれで構いませんが、それでは中学校は乗り切れても絶対に高校生にでつまずきます。

私はこうなってほしくないので、単純暗記以外の宿題は出さず、授業に全力を尽くしています。毎回の授業では根拠のある話の進め方をするよう心掛けています。嘘のない、真っ向勝負の本当の塾を目指しています。

再来年からは大学入試制度が大きく変わり、読解力が更に必要となってきます。グローアップスクールは先を見据えて小学・中学のうちから読解力の強化に努めていきます。国語ではたくさんの題材を読み、理解し表現する練習を行います。もちろん数学や理科はパターンに頼らない理解する授業を展開していきます。